※4Pはここで使う、3Cはここで使う、といった話ではありません※
こんにちは、OneStepです。
私にはマーケティングで先を行くリスペクトする人がいます。
高畑哲平さんという、KDDI Webコミュニケーションズの副社長をされている方です。
この方のお話を聞いたことがある方であれば分かると思いますが、ユーザー心理・行動のブレークポイントを掴むのが非常に上手な方です。そこから産まれるマーケティングの真髄は、マーケッターであれば一度は聴いておいたほうがよいでしょう。
■高畑さんのブログ
・AROUND THE WORLD
・takahata.me
さてこの高畑さん、同じく直接聞いたお話でもあり、同氏のブログでもこのような言葉がありました。
フレームワーク馬鹿になるな
同氏が発言した言葉に以下のようなやり取りの例があります。
Aさん「御社の4PはこうでSWOTを見てみるとこのようになってて」
社長「なるほど。で、それって儲かるの?」
論破できません(笑)つまりフレームワークでは儲からないわけです。
フレームワークはフレームワーク以上のものを産み出さない、といっても過言ではないかも知れません。
社内の人間であれば自分の企画を上司に売り込む、営業の人であれば企画を取引先に売り込む、みなさんがさまざまなマーケティングデータを持ち寄ります。
しかし本質を見抜く経営者はそのようなデータは見ません。
経営者の人がよく言う言葉に「あの人が気に入ったから取引する」なんて言葉があります。
自分は最近になるまで分かりませんでしたがあながち嘘ではないのかも知れません。
このようなお話を踏まえて、同氏は以下のようなニュアンスのことを言っていたのを私も覚えています。
「マーケティングは知恵と度胸」と。
プッシュで使うな、プルで使え
フレームワークは整理するためのものです。
難解な説明や説得、プレゼンによく挟まれます。ですが重点を置いて説明する必要はさほどないと思います。
人に説明をするために使用するなら、むしろ「端的に伝える」「結論から伝える」「言い切る」などのビジネススキルをきちんと守ったほうがよほど好感を持てます。
またフレームワークを説いたところでそれを実践できるかどうかは別問題です。
同氏の著著にも以下のような下りがあります。
……一つの明確な解を得たとしても、果たして上司は理解してくれるでしょうか?
……部長や取締役……社長も難しいマーケティング理論を理解してくれるでしょうか?
(同氏著書「Webマーケティング思考トレーニング(中央経済社)」P.2~3より抜粋)
実践できない可能性が存分にあるのです。社外への企画であれば、受注できるかどうかは別問題、気に入ってもらえてもお金がなければ企画を買ってもらうことはできないでしょう。
フレームワークを引いたから必ず成功するわけではなく、増してフレームワークと関係のないところでマーケティングがダメになってしまうこともあるのです。
フレームワークを他の人に押し付ける(あえてそう表現する)ことは無駄になる可能性を存分に持っています。
だからこそフレームワークは自ら使い、自ら落とし込む程度に留めるのがよいでしょう。
フレームワークは小難しく考えて(笑)整理して、次へ進むためのステップです。
議論をする中身がそこに広がっているわけで、一歩引いた人から見ると「で、結論」としかならないのでしょう。
あと……考えすぎるよりもできることを我武者羅に一つ進めるほうがよい場合もあります。
言葉の言い方の部分はありますが、マーケティングはホドホドに……。
さいごに
フレームワークは所詮というと言葉は悪いですけど、それ以上のものでも以下のものでもないです。
使いどころを間違えて変に振りかざすようなことをすれば確実に白い目で見られると思います。
使いどころに注意しましょう。
ちなみに「Webマーケティング思考トレーニング(中央経済社)」は非常によいマーケティング本だと思われます。
興味のあるかたはぜひご購読ください。